WEP086 加速器技術/ビーム診断・制御 8月5日 小ホール 13:00 - 15:00 |
相対論的電子ビームと結晶の相互作用研究と加速器技術への応用II |
Studies of interactions between a relativistic electron beam and crystals II |
○高林 雄一(九州シンクロトロン光研究センター) |
○Yuichi Takabayashi (SAGA Light Source) |
相対論的電子ビームと結晶の相互作用に関する基礎研究と加速器技術への応用が本研究の目的である.(1)パラメトリックX線(PXR)を利用したビームプロファイルモニタの開発と(2)鏡面反射様チャネリングを利用したビーム偏向技術の開発に関して研究を進めている. (1)最近,XFEL加速器において,バンチ長が短いためにOTRがコヒーレントになり,ビームのプロファイル測定に利用できないことが判明した.本研究では,コヒーレントになることを避けるため,より波長の短いPXRの利用を提案する.①近接法,②ピンホールカメラ法,③フレネルゾーンプレート法という3つの手法を提案し,①と②の原理の検証実験に成功したことを前回報告した.今回は,フレネルゾーンプレート法の開発状況について報告する. (2)従来,チャネリングを利用したビーム偏向の研究では,湾曲結晶が用いられてきた.しかし,最近,イタリアのグループが湾曲していない結晶を用いてもビームを効果的に偏向できることを示した.彼らは,面チャネリングの振動の半波長に等しい厚さを持つ極薄のSi結晶を用意し,2 MeVの陽子を鏡面反射方向に偏向させることに成功した.本研究では,電子ビームに関して検証を行うことが目的である.最近,SAGA-LSのリニアックからの255 MeV電子ビームと厚さ0.7ミクロンのSi結晶を用いて鏡面反射様チャネリングの観測に成功したので報告する. |