加速管・陽電子グループ
Accelerating structure/Positron Group
加速管・陽電子グループ
Accelerating structure/Positron Group
加速管・陽電子グループ
Accelerating structure/Positron Group
加速管・陽電子グループ
Accelerating structure/Positron Group
加速管・陽電子グループ
加速管・陽電子グループ
高周波加速管と呼ばれる、ミクロンレベルの超精密加工により高品質銅から作られる高電界発生装置、大電力高周波を時間圧縮して数倍の高出力化を行うパルス圧縮装置、自然界にはほとんど存在しない陽電子の生成装置に関する研究開発を行っています。これらの装置は「近代科学における傑作技術」と呼ばれている高周波技術を応用して作られています。 「短距離で電子・陽電子ビームのエネルギーを上げる研究・技術開発」、それがこのグループの使命です。
高電界加速
入射器ビーム加速の主体となるのが高周波加速管です。研究を積み重ねて開発された加速管は直径約8センチメートル、全長2メートルの円筒形で、高純度の無酸素銅でできており、Sバンドとよばれる周波数帯の2,856メガヘルツで動作します。40メガワットの大電力高周波を入力すると1メートルあたり20メガボルト以上の高電界を発生します。これは雷を大きく超える電界強度です。また、パルスコンプレッサーと呼ばれているパルス状の大電力高周波を圧縮して高出力化(電力増幅)する装置の研究開発も行っています。このパルスコンプレッサーを使用すると、電子・陽電子ビームは加速管単体の場合に比べて約2倍のビームエネルギーを得ることができるようになります。高周波加速管やパルスコンプレッサーはミクロン単位の高精度で設計サイズと合わないと上手く動作しません。そのため、最先端の加工技術を駆使して製作されています。また、表面は0.1ミクロン以下の精度で加工されているため、非常に美しく、鏡のような輝きをもっています。
陽電子生成
今から約 90年前、空から振ってくる宇宙線によって未知粒子の生成が発見されました。その粒子の質量は電子と同じですが、電子と異なり逆のプラス電荷を持っていたために 「陽電子」 と名づけられました。この陽電子と電子が衝突すると消滅して「エネルギーのかたまり」に変化します。逆に十分に高いエネルギーのかたまりからは電子と陽電子の対を作り出すことができ、「対生成」と呼ばれています。電子を高いエネルギーまで加速して重い金属の標的(入射器ではタングステンを使用)にぶつけると金属の中で電子はガンマ線(エネルギーのかたまり)を放出し、このガンマ線が金属原子核の近くで電子と陽電子を対生成します。標的内ではこれらの反応が雪崩のように次々と起きるため、多量の陽電子が生成されます。この陽電子群はすぐに金属標的から飛び出すので、これを逃がさないようにフラックスコンセントレータと呼ばれる大強度磁場発生装置で補足した後、高周波加速管で加速して陽電子ビームを作っています。
惠郷 博文
Hiroyasu EGO
グループリーダー/教授
設樂 暁
Satoru Shitara
技術員
酒井 汰一
Taichi Sakai
特別助教
東 保男
Yasuo Higashi
ダイヤモンドフェロー
肥後 寿泰
Toshiyasu Higo
名誉教授