制御グループ

Control Group

制御グループ

Control Group

制御グループ

Research Activities

制御グループ
 電子陽電子入射器は、SuperKEKB電子リング/陽電子リング、PFリング、およびPF-ARにビームを供給する、KEKつくばキャンパス加速器群の“心臓部”です。 制御グループは、入射器が毎日安全かつ安定して運転できることを目的として、
・制御システム
・モニタシステム
・タイミングシステム
の運用および開発研究をおこなっています。

制御システム
 入射器には数千点規模の電磁石・加速空洞・RF系・計測器が並びます。これらを正確に動かし、必要なタイミングでビームを生成し、確実にリングへ入射させるためには、 高度な制御技術と継続的な運転支援が不可欠です。私たちは、「見えないところで入射器を支えるシステムエンジニア」として、24時間の安定運転を支えています。 この目的のため、世界中の研究所が協力して開発をおこなっている、EPICSと呼ばれるフレームワークを利用して開発した入射器制御システムを運用しています。
 入射器制御システムにより、
・運転パラメタの管理および監視
・機器異常およびビーム品質異常状態を迅速に検知し、自動的に運転停止、アラームの発報
を実現しています。また、運転ソフトウェアの開発・改善、安定運転のための自動化・省力化、UI改善、異常検知アルゴリズムの開発を日々推進しています。 複雑な加速器を正確に動かすため、「加速器制御システムの信頼性向上」が最重要課題です。

モニタシステム
 電子、陽電子ビームは直接目には見えません。そこで、入射器の状態を把握するために必要となるのが多様な モニター(計測・監視)システムです。 制御グループは以下のような監視機能を担当しています。
・ビーム位置、ビーム電流、ビームサイズなどのリアルタイム表示
・電磁石、RF、真空、冷却水、放射線レベルなどの状態監視
・異常値の自動警報(アラームシステム)
・長期データの記録(データアーカイブ)
 これらは、ビーム調整や加速器の健全性確認のための重要な情報となります。モニターの役割は、入射器が「今どうなっているか」を常に把握し、問題があればすぐに対処できるようにすることです。信頼性の高い監視機能は、加速器運転の安全性向上に直結します。

タイミングシステム
 電子陽電子ビームが加速器を通過し、リングに正確に入射されるためには、ナノ秒精度のタイミング制御が必須です。 制御グループでは、RFシステム、パルス電磁石システムなどを制御するために、以下のようなタイミングシステムを整備しています。
・入射器全体のタイミング基準信号の配信
・50 Hz(20ミリ秒間隔)で入射先リング(4種類)を任意に選択するための高速タイミング制御 ・1バンチ運転/2バンチ運転モードの高速切り替え制御
・SuperKEKB向け高速入射タイミング(入射バケット選択)制御
 タイミングシステムは、いわば「加速器の拍動を刻む心臓のリズム」。
このリズムが乱れると、ビームは狙ったバケットに入らず、運転が成立しません。高精度かつ安定したタイミング制御は、入射器の性能を左右する重要な役目です。

 将来の加速器計画に向けて、制御システム、モニタシステム、タイミングシステムの改善および高度な新システムの開発研究に日々取り組んでいます。

People

佐藤 政則
Masanori Satoh
グループリーダー/教授

宮原 房史
Fusashi Miyahara
准教授

王 迪
Di Wang
助教

阪本 雅昭
Masaaki Sakamoto
技師

佐武 いつか
Itsuka Satake
准技師


諏訪田 剛
Tsuyoshi Suwada
 特別教授/名誉教授

古川 和朗
Kazuro Furukawa
研究員/名誉教授