電磁石・真空グループ

Magnet/Vaccum Group

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電磁石・真空グループ

Research Activities

電磁石・真空グループ
 ほぼ光速で入射器内を走る電子・陽電子ビームの精密な軌道修正や制御に用いる電磁石、空気との衝突からビームを保護する真空装置、1,000台を超える加速器構成装置を精密に並べるアライメント技術に関する研究開発を行っています。

電磁石
 米粒ほどの大きさに詰め込まれた100億個以上の電子・陽電子ビームは、高周波加速管によって直線上に加速されてエネルギーが上がっていきます。ところが、ビームはそのままにしておくと膨れ上がったり、斜め方向に進もうとするものがあり、設計で定めた位置(設計座標)からずれて、やがてビームパイプに衝突して失われます。膨れ上がるのを抑え、ビームの移動を設計座標付近に封じ込めるのが電磁石の役割です。多種多機能の電磁石が備えつけられており、ミクロンレベルで精密かつ自由自在にビームの方向や動きを制御することができます。入射器内のビーム輸送に使用している電磁石は600台以上で、直流電磁石が492台、様々なビームエネルギーに対応した磁場を生成できるパルス電磁石が125台あります。磁気レンズ2台、ソレノイドコイル55台、水平・垂直ステアリング235台、高速パルスキッカー 5台、偏向電磁石32台、補助コイル17台、四極電磁石265台、六極電磁石6台があります。これらの電磁石の維持管理やアップグレード計画のために新しく設置する電磁石の設計や磁場測定を行います。

超高真空
 ビームを空気中で飛ばすと空気の分子と衝突して散乱して消失していきます。そこで、特殊なパイプや容器(チェンバー)を真空状態にして、その中でビーム加速しています。その真空の度合いは、標高 約3万6000キロメートル、気象衛星などの静止軌道人工衛星が飛んでる高さの状態に相当し、ちょっとした宇宙空間の再現です。真空状態でビームを安定に飛ばすため、入射器最上流の電子銃から PFリング、PF-AR、SuperKEKBへビームを振り分ける電磁石までの全長約 700 メートル内に配置された真空チェンバー・真空ポンプ・真空ゲージの開発と維持管理をしています。放射線から他の機器を保護するためのコリメータや空間線量率を抑制するための放射線遮蔽構造の最適化・設計も行っています。更に、入射器最下流ではビーム診断ラインを建設し、他の加速器へ供給するビームの品質をリアルタイムで評価しています。

アライメント
 加速器構成機器を新規にインストールする場合や更新する際、設計座標に対していかに正確に機器を据え付けられるかが、ビーム品質を維持・向上させるための要となります。半径 30メートル 以内の空間において、機器を設計座標に対し常に±50ミクロン以内の精度で据え付けをしています。また、全長約 700 メートルのビーム軌道上に設置された機器 (主として約600台の電磁石) をネットワーク測量・解析し、機器の経年変動を評価しています。更に、測量・解析・シミュレーション技術を海外の加速器施設へ赴き、指導・展開する活動もしています。



People

惠郷 博文
Hiroyasu EGO
グループリーダー/教授

岡安 雄一
Yuichi Okayasu
講師

横山 和枝
Kazue Yokoyma
准教授

柿原 和久
Kazuhisa Kakihara
シニアフェロー