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IUC#42
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日時:2007年5月11日(金曜日) 13:30-
場所:KEKBコントロール棟会議室
出席者(順不同・敬称略):
小磯、生出、榎本、小川、紙谷、飯田、多和田、小林、三橋
飛山、柿原、三増、本間、古川、矢野、菊池、佐藤(文責)
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<1> パルスベンド現状報告 (多和田)
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(主な仕様)
・磁場一様性5E-3以下
・ピーク電流値:32kA (23kA @2.5GeV, 27.5kA @3.0GeV)
・パルス幅:200usec(半波)
・最大繰り返し:25Hz
・最大磁場:1.22 T
・コア長さ:0.99m
・ギャップ高さ:30mm
・要求される領域:76.3mm
・要求される磁場の一様性:5E-3以下
・コイルターン数:1 turn
・インダクタンス:7.6 uH@1kHz
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・端板の発熱問題:
端板を冷却銅板で覆い、端板・コア間に挟んだ銅板を冷却することにより、
発熱を抑えた。
 27.5kA @25Hzで運転した場合、2.5時間後の温度上表は23度=>81度。
ファンで吹いた場合、62度であった。

・ケーブルを束ねている部分が振動するため、固定した。
(その後、32kAで運転したが問題ない。)

・水冷管にロウ付け不良箇所を発見した。
エポキシでかためて補修し、27.5kA @25Hzで通算10時間以上運転したが、
問題なし。

・磁場一様性の要求値は満足しているが、三次元静磁場計算との一致が悪い。

・電流安定度は繰り返しが一定かつ短時間であれば、1E-3の要求値を満たしているが、
繰り返しを1Hz=>25Hzに上げるとピーク電流値が3E-3程度下がる。磁場も電流安定度を
反映して下がる。

C) 温度の影響か?
=> 温度変化の影響と思われる。

C) 3GeVでも25Hz打てるか?
=> 元の仕様では3GeVでは18Hzであったが、
現物は3GeV @25Hz可能である。

・トンネル内設置時には、マグネット以外にもいくつかのコンポーネントを設置予定である。
(流量計、フィルター、冷却水用電動バルブなど)
また、マグネットにカバーをつける。

C) カバーをつけたときの発熱はどうか?
=>ファンで吹く予定。


<2> パルスベンド電源現状報告 (三増)
・安定度:
繰り返し固定で0.05%(仕様0.1%)を達成したが、
1Hz=>25Hzにした場合、0.23%程度となる。
微調整を、この数日で行う。
 また、長時間でのドリフトが見られるが、
温度特性の悪い部品を交換することで対処予定(5月末)

・発熱の問題:
・ダイオード保護抵抗の発熱(200度以下目標)
ファンを増強したが不十分で、抵抗を2本から4本に増やした。
また、水冷も検討している。

C) 水冷にする場合、改造にはどのくらい要するか?
=> 数日程度。

C) 設計の段階から、発熱予想されたか?
=> スイッチングの高周波成分からの発熱の予測が難しく、
見極めが甘かったか?

・サイリスタの発熱(75度以下目標)
ファンを増強して解決。

・ジッタは +-10ns程度であるが、1/10回の頻度で250nsタイミングがずれる。
(振幅エラーとしては、2E-6程度)
 トリガー基盤がノイズにより誤動作していた。
グランドの引き回しを変えて、解決した。

・シーケンサーの異常検出誤動作:
ノイズ対策で改善し、PLCソフト改修(本日終了予定)

・セラミックチェンバー(長さ約1.2m)
コーティングのR&D (Mn-Mo => Tiへ変更)が終了した。
膜厚を薄くした(2〜5um => 20〜50nm)が、SEMによりコーティングの一様性を確認。
実機を製作中。

C) 予備品は?
=> 製作予定。

C) TiNの方が抵抗大きくてよいのではないか?

C) 打ち始めの最初の1、2発目の磁場の差は?
=> 確認する予定。

<3> パルスステアリング (菊池)
・ターゲット迂回バンプ及び軌道補正用ステアリングを共通仕様でつくる。
目標蹴り角は、1mrad @4GeVで、最大50Hzのパターン運転を行う。
 バイポーラ電源で、パルス毎にピーク値を制御可能である必要がある。
カタログ製品とし使えそうなものがある。(10A-60Vと20A-120Vの二種類)

C) バイポーラである必要あるか?
=> 下流の軌道補正用ステアリングを考えるとバイポーラが必要。

・マグネットは、AR取り出し用Fast Bump磁石(6台)を使用可能。
(要gap改造: 70mm => 35mm)
チェンバーの仕様も検討したが、製作可能である。

(結論)
・gapを改造し20A-60V電源を使用すれば転用可能。


C) マグネット二台ならべて使うのは?
=> スペースが厳しい。6台しかないので、もったいない。
また、電源2台の値段は電源容量2倍のもの1台と同じ値段。

C) 設置場所はあるか?
=> 蹴り戻しようのステアリングを置く場所がきびしい。
シケインを撤去するか?
既設のDCベンドを残すとすれば、BCSも撤去する必要がある?


(結論)
・夏期メンテ中に、シケインとBCS(1台)を撤去し、チェンバーをインストール。


<4> ダンプライン (三橋)
・春休み中にPF-BT下流のダンプラインが完成した。
主任者検査も完了し、最大出力は60W。
ダンプラインの運用はマニュアルの整備と安全教育が済み次第可能である。

<5> 次回打ち合わせ:

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IUC #43
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日時: 2007年6月1日 (金曜日) 10:00-
場所: KEKBコントロール棟会議室
議題:
(1) TBD
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