FSP010  施設現状報告ポスター  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
RCNPサイクロトロン施設の現状
Present Status of the RCNP Cyclotron Facility
 
○福田 光宏,畑中 吉治,依田 哲彦(阪大RCNP),植田 浩史(岡山大自然科学研究科),齋藤 高嶺,田村 仁志,永山 啓一,安田 裕介,島田 健司,鎌倉 恵太,森信 俊平,久米 世大,原 周平,山野下 莉奈,Koay HuiWen(阪大RCNP)
○Mitsuhiro Fukuda, Kichiji Hatanaka, Tetsuhiko Yorita (RCNP, Osaka University), Hiroshi Ueda (Okayama University), Takane Saito, Hitoshi Tamura, Keiichi Nagayama, Yusuke Yasuda, Kenji Shimada, Keita Kamakura, Shunpei Morinobu, Toshihiro Kume, Shuhei Hara, Rina Yamanoshita, Heiwen Koay (RCNP, Osaka University)
 
RCNPサイクロトロン施設は、K140AVFサイクロトロンとそれを入射器とするK400リングサイクロトロンから構成される。AVFサイクロトロンは、核化学・核医学用RI生成に利用されているだけでなく、不安定核ビーム生成や学生実験などにもビームを供給している。リングサイクロトロンでは、陽子、重陽子、4Heなどの軽イオンビームの供給が半数以上を占め、超高分解能スペクトロメータGrand-RAIDENと組み合わせた精密原子核実験や準単色中性子実験などに利用されている。さらに最近では、ミューオン源MuSICが整備されたことにより、連続ミューオンビームを用いた共同利用実験も始まった。H27年度の運転時間は約4600時間に及び、その内、陽子(非偏極)の供給が47%、偏極陽子が12%、重陽子が10%、4Heが9%、重イオンが22%であった。 Bi系の高温超伝導線材を用いた高温超伝導偏向電磁石の開発においては、磁場測定や励磁試験等を順次進めている。イオン源開発においても、超電導ECRイオン源やECR陽子源の引出電極部に改良を加え、安定したビームを供給できるようになっただけでなく、入射ビームのリアルタイム・エミッタンス測定を可能にするペッパーポット式のエミッタンスモニターの開発も進んでいる。また、核医学用RI生成や核燃料廃棄物から出てくるLLFP核種の核変換を目指した小型加速器の概念検討も進展している。 本発表では、RCNPサイクロトロン施設の現状と開発状況等について報告する。