FSP012  施設現状報告ポスター  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
京大炉電子線型加速器(KURRI−LINAC)の現状
Status of KURRI-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,窪田 卓見,阪本 雅昭,高見 清(京都大学原子炉実験所)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Takumi Kubota, Masaaki Sakamoto, Kiyoshi Takami (KURRI)
 
京大炉電子線型加速器の2015年度の運転時間は、2014年度を上回る2,271.3時間であった。利用線種は中性子が35%を超えて最も多く、電子線が30%超で続き、X線16%、放射光15%の順であった。利用形態としては、放射線損傷とイメージングを含んだ放射線計測がほぼ同じ時間(24%)利用されており、RI製造・放射化分析、放射光源、核データが15%前後で続く。また、大学院教育としての利用もあり、多種多様な利用が行われている。 一方、トラブルが冷却水周りで多く発生した。フロースイッチや流量計からの漏水が相次ぎ、緊急措置を施して対応していたが、2016年1月からの長期停止期間を受け、加速器室内の冷却配管部品の大半及び配管の一部を更新した。また、モデュレータ周りの冷却水配管からの漏水も発生しており、圧着ソケットによる対策を行ったが、ソケットが適応できない全周からの漏水にも使用したために、その箇所が完全に抜けて大量の漏水が発生する事象が発生した。ハンダ溶接による対応を行ったが、配管の全面的更新が望ましい。 また改造関係では、モデュレータ過電流に伴うブレーカー断の対策と12m測定室不燃化工事を行った。前者では、平滑リアクトル変更と、インターロック回路の短縮によって達成した。後者では、2016年1月から一ヶ月半のマシン停止期間を設け、鋼板鉄骨造りの建屋にして達成した。