MOOM01 ハドロン加速器 8月8日 会議室201 15:20 - 15:40 |
複合イオンビーム利用研究の展開を目指した6 MVタンデム型静電加速器の開発 |
Development of the 6 MV Tandem Electrostatic Accelerator for New Prospects of Multiple Ion Beam Applications |
○笹 公和(筑波大学 応用加速器部門),Stodola Mark,Sundquist Mark(National Electrostatics Corp.) |
○Kimikazu Sasa (UTTAC, Univ. Tsukuba), Mark Stodola, Mark Sundquist (National Electrostatics Corp.) |
筑波大学では、2011年から米国National Electrostatics Corp.と共同で6 MVタンデム型静電加速器の開発と建設を行ってきた。東日本大震災で損壊した12UDペレトロン型タンデム加速器の更新加速器として、国内では約20年振りの建設となる大型静電加速器である。加速器システムとしては、5台の負イオン源と12本のビームラインを有しており、複合的なイオンビーム利用研究の新たな展開が期待される。 6 MVタンデム型静電加速器は、全長10.5 m、直径2.7 mの加速タンク内に強化アクリルガラス支柱に保持されたコンプレスト型加速管を設置しており、最高到達電圧として6.5 MVを達成している。荷電変換機構は、80枚の荷電変換用フォイルユニットとArガスストリッパーカナルを併用している。電圧制御はGVM制御とスリット電流負帰還制御の2方式により、10E-4以下の電圧安定性を得ている。ラムシフト偏極イオン源による偏極陽子と重陽子から、重イオン用Csスパッタ負イオン源によるAuまでの多種のイオンを加速可能である。加速エネルギー範囲は、1 keV分解能で陽子は1.5 MeVから13 MeVまで、Auイオンでは90 MeVまでとなっている。高度に制御されたイオンビームは、イオンビーム物質分析法や加速器質量分析法、宇宙環境用半導体のイオン照射実験などに適用可能である。2016年3月より稼働を開始した最新鋭の6 MVタンデム型静電加速器の設計と開発状況及びイオンビーム利用研究の展開について報告する。 |