MOOM02  ハドロン加速器  8月8日 会議室201 15:40 - 16:00
リング荷電変換器
ring charge stripper
 
○今尾 浩士,上垣外 修一,奥野 広樹,福西 暢尚,須田 健嗣,坂本 成彦,山田 一成,矢野 安重(理研仁科センター)
○Hiroshi Imao, Osamu Kamigaito, Hiroki Okuno, Nobuhisa Fukunishi, Kenji Suda, Naruhiko Sakamoto, Kazunari Yamada, Yasushige Yano (RIKEN Nishina Center)
 
理研RIビームファクトリー(RIBF)の様な重イオン加速器において、加速途中での荷電変換は効率的加速の為に必要不可欠なプロセスである。 しかし、一般に荷電変換器による1回の荷電変換効率は15-30%程度であり、効率的加速と引き換えに強度を大きく損ねる事は避けられない。例えばRIBFでは2回の荷電変換を行い、トータル僅か6%程度の変換効率となっており、大強度化の大きなボトルネックとなっている。 米国の次世代計画FRIBにおいては、超伝導線形加速器を用い多数の電荷の重イオンを同時に加速する事で(マルチチャージ加速)、荷電変換効率の実質的増強を図っている。しかし、これは線形加速器特有の手法であり、サイクロトロン等のリング型の加速器を用いて高エネルギーまで効率的な加速を行う際には応用できない。本研究では近年開発された大強度重イオンビームに適用可能なガスストリッパーの知見を元に、RIBFに代表される多段リング加速器においても使用可能な荷電変換リングの考察と設計について発表する。