MOOM04  ハドロン加速器  8月8日 会議室201 16:20 - 16:40
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM精密測定実験のためのミューオンリニアック
The muon linac for the precise measurement of muon g-2/EDM at J-PARC
 
○近藤 恭弘,長谷川 和男,伊藤 崇,Artikova Sayyora(JAEA),大谷 将士,三部 勉,内藤 富士雄,吉田 光宏(KEK),北村 遼(東大理),岩下 芳久(京都大学),岩田 佳之(放医研),林崎 規託(東工大),齊藤 直人(J-PARC)
○Yasuhiro Kondo, Kazuo Hasegawa, Takashi Ito, Sayyora Artikova (JAEA), Masashi Otani, Tsutomu Mibe, Fujio Naito, Mitsuhiro Yoshida (KEK), Ryo Kitamura (Univ. of Tokyo), Yoshihisa Iwashita (Kyoto univ.), Yoshiyuki Iwata (NIRS), Noriyosu Hayashizaki (TITEC), Naohito Saito (J-PARC)
 
近年、素粒子標準理論を超える物理を探索するためのプローブとしミューオンが注目されている。我々は、J-PARCにおいて、新たなミューオン異常磁気モーメント(g-2)及び電気二重極モーメント(EDM)精密測定実験計画(E34)を推進している。この実験では、収束電場なしでビーム蓄積する要請から、10^-5 rad以下にミューオンビームの広がりを抑える必要があり、J-PARC MLFにおいて超低速ミューオンを生成し、212 MeVまで加速することでこの要求を満たす。規格化rms横エミッタンス1.5pi mm mradであり、ミューオンビームとしては従来にない低エミッタンスとなる。 ミューオンリニアックは本実験の成否を握る重要な要素であり、高周波四重極空洞(RFQ)、IH型ドリフトチューブリニアック(IH-DTL)、ディスクアンドワッシャ(DAW)型結合空洞、円盤装荷型進行波リニアックという構成で開発を進めている。RFQはJ-PARCリニアックの予備機を用いる予定であり、IH-DTL、DAWはビーム力学、空洞設計を完了し、DAWのコールドモデルによる測定を行っている。 本論文では、この世界初となるミューオンリニアックの全体設計、ビームシミュレーションについて報告する。各加速要素開発の概要についても触れるが、RFQでのミューオン加速の実証実験、IH-DTL設計の詳細については、本学会の別の発表を参照されたい。