MOP004  ハドロン加速器  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC における荷電変換型ビームハロースクレーパの開発
Development of the charge exchange type beam halo scraper at the J-PARC
 
○岡部 晃大,山本 風海(原研)
○Kota Okabe, Kazami Yamamoto (JAEA)
 
J-PARC 3-GeV シンクロトロン(RCS)では1MWビーム定常利用運転実現に向けた精力的な研究開発が進められているが、その最も大きな障害として、ビーム損失が原因となる加速器機器の放射化が懸念されている。RCSにおいて、ビーム入射部の放射化を抑制するためには、入射ビームのクオリティを向上させる必要がある。我々はリニアックからの入射ビームのハロー部分を除去するため、荷電変換型ビームハロー除去システム(スクレーパ)の開発を行った。本スクレーパシステムは、まず、リニアックにより加速された負水素イオンビームのハロー部分のみを炭素薄膜にて荷電変換する。陽子へと荷電変換されたハロー部は、下流に設置された偏向電磁石によって入射ビームから分離され、ビームダンプに打ち込まれる。このスクレーパシステムを実現するにあたり、荷電変換膜による多重散乱効果に起因するスクレーパ周辺部の放射化が課題となる。本発表では、炭素薄膜による荷電変換効率、及び、GEANT4による荷電変換された粒子の軌道シミュレーション結果をもとに、スクレーパ周辺部の放射化を最小化する荷電変換膜厚について議論する。さらに、製作した荷電変換型スクレーパシステムとその性能評価試験結果を紹介する。