MOP014  高周波加速空胴  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
アルバックの高純度ニオブ材を用いた超伝導加速空洞
Superconducting cavity fabricated from high purity Nb materials produced by ULVAC
 
○永田 智啓,阿部 知行,増居 浩明,篠澤 精一,村上 裕彦((株)アルバック),井上 均,山中 将,加古 永治(KEK)
○Tomohiro Nagata, Noriyuki Abe, Hiroaki Masui, Seiichi Shinozawa, Hirohiko Murakami (ULVAC Inc.), Hitoshi Inoue, Masashi Yamanaka, Eiji Kako (KEK)
 
超伝導加速空洞のニオブ素材には高純度であることが求められるが、 我々は、高純度ニオブ精製用の600kW電子ビーム溶解炉を独自の設計により導入し、現状ではRRR 250以上の高純度インゴットの安定生産が可能となっている。今回はこの電子ビーム溶解により製造した高純度インゴットを用いた 2つの単セル空洞試作と加速特性評価について紹介する。まず一つが、板材からハーフセルを成形し電子ビーム溶接により接合した空洞で、最大加速勾配41MV/mの良好な特性が確認され、我々の素材が超伝導加速空洞部材として申し分ないことを実証した。もう一つは溶接して製造する従来の手法とは異なり、アルバック独自の技術で作製されるニオブシームレス管を利用して、液圧成形により試作した。シームレス空洞の最大加速勾配は37MV/mとなり、溶接型空洞と比べやや劣るもののILC計画の仕様である35MV/mを上回る結果となった。この特性は 表面処理の最適化で改善できる見込みである。 当日は素材の特性や表面観察による加速特性の考察についても述べる。