MOP043  粒子源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
大電流CWビーム運転前後の半導体フォトカソード量子効率分布測定
QE map measurement of semiconductor-type photocathode before and after the high current CW beam operation
 
○山本 将博,金 秀光(高エネ研),西森 信行(量子科学技術研究開発機構),本田 洋介,宮島 司,帯名 崇(高エネ研),亀田 吉郎(東日技研),川崎 泰介(東芝)
○Masahiro Yamamoto, Xiuguang Jin (KEK), Nobuyuki Nishimori (QST), Yosuke Honda, Tsukasa Miyajima, Takashi Obina (KEK), Yoshiro Kameta (e-JAPAN IT Co., Ltd.), Taisuke Kawasaki (Toshiba)
 
ERL実証機としてKEKで開発が進められているcompact-ERLは、2016年3月に電子銃に装着されたGaAs半導体フォトカソードより900uAを超えるCWビームの安定供給に成功した。大電流運転では、電子銃近傍でビーム軸上でビームと残留ガスの衝突により発生するイオンが電子銃へ逆流し、カソードを衝撃するイオンボンバードによってフォトカソードの量子効率(QE)が低下する問題がフォトカソード寿命を決める一番の要因となるが、今回のcERL大電流CW運転では電子銃においてビーム発生点となるレーザー照射位置をカソード中心からわずかにずらすオフセンター運転を行うことで、積算電荷量10 Coulomb程度ではビーム起因(イオンボンバード現象など)によるQEの定常的な低下は今のところ明確には確認されていない。イオンボンバード等によってダメージを受ける領域を分析する目的で今回のcERL運転よりカソード準備装置に新たにQE分布測定装置が設置された。これを用いてCW運転前後のQE分布について詳細な測定を行い、カソードの電場中心付近においてフォトカソードの再活性化過程でQEの回復が不十分となるイオンボンバードと推測される領域を確認した。