MOP063  電子加速器  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
SuperKEKB用フラックスコンセントレータの開発
Development of a flux concentrator for SuperKEKB
 
○榎本 嘉範,紙谷 琢哉,横山 和枝,田中 窓香,柿原 和久,高富 俊和,岡田 尚起,肥後 寿泰(高エネ研),牛本 信二(三菱電機システムサービス)
○Yoshinori Enomoto, Takuya Kamitani, Kazue Yokoyama, Madoka Tanaka, Kazuhisa Kakihara, Toshikazu Takatomi, Naoki Okada, Toshiyasu Higo (KEK), Shinji Ushimoto (Mitsubishi Electric System & Service )
 
2016年2月よりコミッショニング始まったSuperKEKB計画では、KEKBに比べルミノシティーを約40倍に増強することを目的として、様々な開発が行われている。陽電子に関しては、KEKBではバンチチャージが1 nCであったがSuperKEKBでは4 nCが要求されている。しかもDR(ダンピングリング)への入射エネルギーを確保するために陽電子生成ターゲットの位置をこれまでより上流へ移動せざるをえず、ターゲット位置での入射電子エネルギーが低下し、1電子あたりの陽電子生成量が低下することが避けられない。 これを補い要求性能である4 nCの陽電子を確保するために、これまでよりも数倍効率のよい陽電子捕獲系の開発が進められている。その中で中心となる装置がフラックスコンセントレータ(FC)と呼ばれるパルス電磁石である。 本発表では現在稼働中の1号機から得られた経験を元に、改良、製作した2号機に関して、テスト結果を示しながら現状を報告する。 特にFCヘッド部の加工硬化処理による耐力の増大が大電流運転での重要点と考えられているため、処理の有無による結果の違いを紹介する予定でいる。