MOP081  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
ビーム位置及び相対モーメント測定に於ける再帰的計算
Recursive Calculation on Beam position and Relative Moment Measurements
 
○柳田 謙一,鈴木 伸介,花木 博文(公益財団法人高輝度光科学研究センター)
○Kenichi Yanagida, Shinsuke Suzuki, Hirofumi Hanaki (Japan Synchrotron Radiation Research Institute)
 
ビーム位置モニタ(BPM)を使用した位置測定に於いて、測定ビーム位置を用いた高次多項式の補正を行う事によって、測定ビーム位置を実ビーム位置に近づける事が行われる。この補正では1回のみの再帰的計算を行っていると解釈出来る。2013年加速器学会年会に於いて我々は高次モーメントが測定ビーム位置に影響を与える事を示し、上記多項式補正は相対モーメントを無視(零と見做)した場合の事例である事を示した。また、2014年加速器学会年会では二次相対モーメントを正確に算出する為、五次までのモーメントを用いた補正を行った事を述べた。SPring-8線型加速器円形断面六電極BPMを使用した場合、測定されるモーメントは2つのビーム(重心)位置、2つの二次相対モーメント及び1つの三次相対モーメントである。これら5つのモーメントを算出する際、各々に五次までの補正が必要となるが、1回のみの再帰的計算では正確な高次相対モーメントが得られないことが判明し、その対策のため多数回の再帰的計算手法を確立し、適用した。多変数且つ連立の多数回再帰的計算は必ずしも収束するものではないが、各モーメント算出の数値シミュレーションを行うことで実用的な領域に於ける収束性を確認している。本年会では五次までの補正に於ける再帰的計算に関して、シュミレーション及び実ビームデータの両方からモーメントを算出、比較し、本手法が適切である事を示す。