MOP083  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
RF-Deflectorを用いたRF-Gunにおける電子ビームの傾き角計測
Bunch Tilt Angle Measurement by Using RF Deflecting Cavity
 
○中里 佑介,西山 将大,佐々木 智則(早稲田大学理工学研究所),坂上 和之(早稲田大学高等研究所),鷲尾 方一(早稲田大学理工学研究所)
○Yusuke Nakazato, Masahiro Nishiyama, Tomonori Sasaki (Research Institute for Science and Engineering, Waseda University), Kazuyuki Sakaue (Waseda Institute for Advanced Study, Waseda University), Masakazu Washio (Research Institute for Science and Engineering, Waseda University)
 
早稲田大学では,フォトカソードを用いたRF-Gunによって高輝度・短パルス・低エミッタンス等の特徴を持つ高品質な電子ビームを生成している。生成した電子ビームは,レーザーコンプトン散乱による軟X線生成実験やパルスラジオリシス,コヒーレント放射を利用したテラヘルツイメージング実験などに応用している。電子ビームを応用するにあたり,その詳細な構造の理解は非常に重要であるといえる。特に縦方向の情報はそれぞれの応用において重要なパラメータであり,本研究室では電子ビームの縦方向測定を目的としてRF-Deflectorと呼ばれる装置を独自に設計・開発し,これまでに縦方向密度分布測定,縦方向位相空間分布測定を行ってきた。RF-Deflectorとは内部に電磁場が共振する空胴共振器であり,時間変化する磁場によって電子ビームの位置ごとに異なるローレンツ力を与え,偏向する装置である。この装置を使った実験を行う中で,偏向させる方向によって電子ビームのビームサイズが異なる現象が確認され,それが電子ビームの持つ傾きによるものであることが考えられた。そこで我々はRF-Deflectorを使用して電子ビームの持つ傾きの角度を測定した。本発表では様々なパラメータを変化させた際のビームの傾き計測結果,及び今後の課題について報告する。