MOP084  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
電子線傾き制御によるコヒーレントテラヘルツ放射の生成
Coherent THz generation by using electron bunch tilting
 
○坂上 和之(早大高等研),西田 万里子,鷲尾 方一(早大理工研),平 義隆,黒田 隆之助(産総研),浦川 順治(高エネ研)
○Kazuyuki Sakaue (WiAS, Waseda Univ.), Mariko Nishida, Masakazu Washio (RISE, Waseda Univ.), Yoshitaka Taira, Ryunosuke Kuroda (AIST), Junji Urakawa (KEK)
 
チェレンコフ放射はその媒質の屈折率によって電子線とある一定の角度を持って放射される。長い媒質中を荷電粒子が進行する場合には各点においてチェレンコフ放射が生成されるが、異なる点から放出されたチェレンコフ放射は位置の違いによって決まる位相関係はあるものの、位相を合致させて増強されるわけではない。そこで我々は電子バンチに傾きを付与することによって各点において放射されるチェレンコフ放射の位相を合致させるコヒーレントチェレンコフ放射の開発を開始した。もともとバンチ長計測用に開発した高周波偏向空胴を用いて、電子線に傾きを付与し、テラヘルツ帯におけるコヒーレント光の生成を行った。その結果、1THz帯において、傾き付与によって約10倍の強度を得ることに成功した。本講演では、電子線傾きを用いたコヒーレント放射の原理、テラヘルツ放射生成試験の結果、今後の展望に関して報告する。