MOP086  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
重粒子線治療におけるビームアライメント手法とその検証
Beam position alignment and its verification for therapeutic ion beams from synchrotron
 
○皿谷 有一(放射線医学総合研究所),竹下 英里(神奈川県立がんセンター),古川 卓司,原 洋介,水島 康太,早乙女 直也,丹正 亮平,白井 敏之,野田 耕司(放射線医学総合研究所)
○Yuichi Saraya (National Institutes of Radiological Sciences), Eri Takeshita (Kanagawa Cancer Center), Takuji Furukawa, Yousuke Hara, Kota Mizushima, Naoya Saotome, Ryohei Tansho, Toshiyuki Shirai, Kouji Noda (National Institutes of Radiological Sciences)
 
三次元スキャニング照射法ではビーム位置のずれが照射野のずれを引き起こすため、治療室内の基準軸(アイソセンター)とビーム位置を合わせることが重要である。そのため我々は簡便な調整方法を開発し、検証を行った。アイソセンターは金属球が埋め込まれたファントムで定義され、X線管球や治療台の座標軸はこのアイソセンターに対して合わせられる。ビーム位置は輸送ラインのコミッショニング時に磁石の中心を通るように位置調整されているが、これはアイソセンターと一致していない。我々の調整方法では最初に、ファントムより下流に設置された蛍光膜とCCDカメラでアイソセンターとビーム位置のずれを測定し、輸送ライン上に設置されたステアリング電磁石でビーム位置の調整を行う。次に、ビームを使用し、ファントムより直上流に設置されたMWPCの基準位置の決定を行う。このような調整と検証は、アイソセンターとビーム位置のずれが全てのエネルギーで±0.5 mm 以内になるまで繰り返される。我々は開発した調整方法を使用し、神奈川県立がんセンターの重粒子線治療装置において実験を行った。本講演ではその結果について発表を行う。