MOP088  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
スリット-ハープ法による高速エミッタンス測定システムの開発
Development of a fast emittance measurement system with the slit-harp method
 
○柏木 啓次,宮脇 信正,倉島 俊(量研機構 高崎)
○Hirotsugu Kashiwagi, Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima (QST Takasaki)
 
量研機構高崎研AVFサイクロトロンでは、イオン源で生成したビームの損失を最小限にして加速するための入射ビーム調整のツールとして、サイクロトロンのアクセプタンスと入射ビームのエミッタンスを測定する装置をこれまで開発してきた。エミッタンスの測定に関しては、入射ビームラインの位置と角度を制限する2つのスリットで加速器に通すビーム位相平面領域を制限するアクセプタンス測定と同じ方式のダブルスリット法で行ってきた。エミッタンスの測定には、水平・鉛直の一方向につき通常5分程度、高精度な測定の場合はさらにその数倍の時間を要するためイオン源他の条件を変えて複数回測定する場合には多くの測定時間が必要となっていた。そこで、迅速にエミッタンスを評価するため、スリットとハープを用いたエミッタンスモニタを開発した。このモニタは、これまでと同様アクセプタンスとエミッタンスが同位置で測定できるようにするため、ビーム位置を制限するスリットはダブルスリット法と共通にし、新たに追加した48本のハープにより48座標のビームの角度成分の検出を同時に行う。発表では装置の詳細及び測定結果について報告する。