MOP090  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
表面プラズモン共鳴を介した電子バンチ長の非破壊計測の検討 (2)
Non-distractive electron bunch length measurement via the surface plasmon resonance 2
 
○岡安 雄一(高輝度研)
○Yuichi Okayasu (JASRI)
 
フェムト秒単一電子バンチについて、加速器真空系の外で放射線損傷を気にすることなく、非破壊・リアルタイムでバンチ長測定を実現する測定系の開発を行う。 具体的には、真空ダクトに設けたメタマテリアル媒質と電子バンチ起因のクーロン場で表面プラズモン共鳴 (SPR) を真空ダクト外に励起させ、この SPR を EO サンプリング (EOS) 等で計測する測定系を開発する。標的となる電子バンチ長は 30 fs (FWHM) 程度である。 基板は合成石英と金薄膜から成り、二者の接着層には Ni ストライクを採用する。昨年の加速器学会では、SPR を効率的に励起する基板構造の数値計算による最適化 (接着層・金薄膜の厚さ、金薄膜に施すパターン等) について報告した。その内容に基づき、実際にSPR 基板を京都大学ナノテクノロジーハブ拠点にて製作した。特に接着層において、Ni の採用実績は一般的ではないため、条件出し等の困難を伴った。平行して、SPR 基板の試験用チェンバーも設計・開発した。実際の電子ビーム線型加速器を使用した基板の実証試験は、加速器の増強工事が優先されたため実施されていない。 本学会では SPR 基板製作方法、発生した問題点と克服、反省点に重点を置き、本研究課題の進捗を報告する。 本研究は JSPS 科研費 15K13415 の助成を受けたものである。