MOP113  電磁石と電源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC RCSエネルギー増強のための主電磁石の検討
Conceptual Design of Main Magnets for the J-PARC RCS Energy Upgrade
 
○谷 教夫,渡辺 泰広,發知 英明,原田 寛之,山本 昌亘,金正 倫計(原子力機構 J-PARCセンター),五十嵐 進,佐藤 洋一,白形 政司,小関 忠(高エネ研)
○Norio Tani, Yasuhiro Watanabe, Hideaki Hotchi, Hiroyuki Harada, Masanobu Yamamoto, Michikazu Kinsho (J-PARC, JAEA), Susumu Igarashi, Yoichi Sato, Masashi Shirakata, Tadashi Koseki (KEK)
 
J-PARC MRでは、将来MW級のビーム運転を目指した調査が行われており、その一環としてRCS電磁石の検討が行われた。RCSは、MRに対して1MWのビームを出射することが可能である。この場合、MRでは1.3秒の繰り返し時間で1.3MWのビーム強度が得られる。しかし、RCSの出射エネルギー3GeVでは、空間電荷効果の影響でMR入射部でのビームロスが5%と大きい。3.4GeVでは、ビームロスが1%程度となりMRでのビーム受け入れが可能となる。 出射エネルギー3.4GeVの実現性を確認する為に、現状のRCS偏向電磁石と四極電磁石を用いて、出射エネルギーの検討を行った。偏向電磁石は、三次元磁場解析コードを用いて評価が行われた。その結果、電磁石は、3.4GeVでは7.4%の飽和が見られた。また、定格値は、直流電源及び交流電源の最大定格の16%及び6.2%を超えており、現状のシステムでは難しいことが判った。その為、偏向電磁石については、既存の建屋に収まることを前提として、3.4GeVの電磁石設計を行った。その結果、電源は直流電源の改造と交流電源の交換で実現可能となることが判った。四極電磁石は、磁場測定データを基に評価が行われた。その結果、電磁石・電源共に対応可能であることが判った。 本論文では、RCS電磁石の出射エネルギー増強における検討内容及びその結果見えてきた課題について報告する。