MOP114  電磁石と電源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC主リング高繰返し化に向けた主電磁石電源用変換器ユニットの大電力試験
High Power Testing of Power Converter Unit of J-PARC MR Main Magnet Power Supply for High Repetition Rate Operation
 
○森田 裕一,栗本 佳典(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),下川 哲司,三浦 一喜(高エネ研)
○Yuichi Morita, Yoshinori Kurimoto (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Tetsushi Shimogawa, Kazuki Miura (KEK)
 
J-PARC主リングではビームパワーを増強するために運転周期を現状の2.5秒から1.3秒へ速める。高繰返し化に伴って、電磁石電源の出力電圧の増加、及び電磁石の励磁エネルギーを1次側へ回生することによる系統の電力変動が問題となる。さらに、ビーム性能の向上のために出力電流の低リップル化が求められている。我々はこれらを解決可能な電源を開発し、現行電源と入れ替える計画である。出力電圧の増加に対しては、1700V耐圧の変換器を6直列にして十分な耐圧を得る。系統の電力変動に対しては、電源あたり最大で数Fのコンデンサバンクを用いて回生エネルギーを貯蔵する。低リップル化に対しては、変換器を直列多重し、出力フィルタでスイッチングリップルを十分除去できる程度まで等価スイッチング周波数を大きくする。当該電源では冗長性を考慮して全ての変換器が同一のユニットの組合せで構成される。大容量の受電設備や負荷を使わずにユニットの大電力試験を行う方法を考案し試作変換器を用いて~100kVAの試験を行った。この方法では2台の変換器を介して2つの50mFコンデンサバンクの間でエネルギーを交換することにより受電電力を小さく抑える。また、それぞれの変換器の出力電圧パターンを同期することで負荷の両端にかかる電圧を小さくする。本報告では開発中の電源の構成およびユニットの大電力試験の方法と結果を紹介する。