MOP118  電磁石と電源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
次世代サイクロトロン技術のための大型高温超伝導磁石の開発
Development of Large-scale HTS Magnet for Next Generation Cyclotron Technology
 
○鎌倉 恵太,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,森信 俊平,斎藤 高嶺,永山 啓一,田村 仁志,安田 裕介,島田 健司,原 周平,久米 世大(阪大RCNP),植田 浩史(岡大理)
○Keita Kamakura, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Shunpei Morinobu, Takane Saito, Keiichi Nagayama, Hitoshi Tamura, Yuusuke Yasuda, Kenzi Shimada, Shuhei Hara, Toshihiro Kume (RCNP, Osaka Univ.), Hiroshi Ueda (Okayama Univ.)
 
我々は、次世代のサイクロトロンとして、高温超伝導電磁石を用いた小型でハイパワー(高エネルギーかつ大電流)な分離セクター型サイクロトロンを提案している。高温超伝導サイクロトロンは、その安定性の高さと運転コストの低さから、加速器駆動未臨界炉(ADSR)や粒子線癌治療への応用が期待される一方で、様々な解決すべき課題を残して未だ実現に至っていない。その第一歩として大阪大学核物理研究センター(RCNP)サイクロトロン施設に、世界初となる高温超伝導サイクロトロンを、既存のK400リングサイクロトロンの入射器として開発・導入する計画が進められている。本計画は当施設におけるビームの大強度化に資するとともに、将来における次世代サイクロトロンの要素開発を行うものである。最も大きな課題となるのはメートル級の高温超伝導コイルの開発である。これまでRCNPでは、高温超伝導線材を用いた様々な電磁石の研究開発が行われてきた。現在、磁極長1メートルの高温超伝導ビームスイッチング磁石を製作し、性能評価を行っている。この磁石は2つの実験室間でのビームシェアリングのための迅速な励磁を目的としたスイッチング磁石であるとともに、分離セクター型サイクロトロンの高温超伝導化のための、大型電磁石のプロトタイプである。これまでの性能評価試験の結果に基づき、高温超伝導技術の大型磁石への適用可能性を議論する。