MOP128 加速器応用・産業利用 8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
InGaP太陽電池における100 keV以下の電子線照射による欠陥の生成 |
Generation of defects by irradiation with less than 100 keV electron in InGaP solar cells |
○奥野 泰希,奥田 修一,秋吉 優史,岡 喬(阪府大),川北 史郎,今泉 充,艸分 宏昌(宇宙開発機構),リー カンファ,山口 真史(豊田工大) |
○Yasuki Okuno, Shuichi Okuda, Masafumi Akiyoshi, Takashi Oka (OPU), Shirou Kawakita, Mitsuru Imaizumi, Hiroaki Kusawake (JAXA), Kan-hua Lee, Masafumi Yamaguchi (TTI) |
InGaP太陽電池は、100 keV以下の電子線照射によって欠陥生成が起きないと考えられている。しかしながら70 keVの電子線を照射すると、非放射再結合が増加することから欠陥の生成が示唆されていた。本研究では、70 keV電子線を照射されたInGaP太陽電池にDLTS測定を行うことによって、欠陥が70 keV電子線照射によって生成されることを確認する。70 keV 電子線を照射されたInGaP太陽電池にDLTS測定を行うことにより得たスペクトルより270 K付近においてスペクトルにピークが観測された。270 K付近にみられるピークの欠陥の活性化エネルギーをアレニウスプロットから求めた結果よりDLTSで見られた270 K付近のピークの活性化エネルギーは0.54 eV±0.02 eVであることが明らかになった。 先行研究において270 K付近にピークを持つ活性化エネルギーが 約0.55 eVの欠陥はH2と呼ばれ、InGaP中のリンのはじき出し由来の欠陥であるとされている。今まで100 keV以下の電子線照射では、欠陥がほとんど生成されないと予測されていたが、70 keV電子線照射によってH2欠陥が確認されたことから、100 keV以下の電子線照射でリンのはじき出し由来の欠陥が生成されることが明らかになった。 |