MOP129  加速器応用・産業利用  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
1MeVイオン加速器によるPIXE分析システムの開発と教育への適用
Development of PIXE system with 1-MeV ion accelerator for educational purpose
 
○宮丸 広幸,安達 脩,谷口 良一,奥田 修一(大阪府大)
○Hiroyuki Miyamaru, Osamu Adachi, Ryoichi Taniguchi, Shuichi Okuda (OPU)
 
大阪府立大学では環境分析を目的に小型の1MeVイオン加速器を用いたPIXE分析システムの開発を進めている。本システムではPIXE法を用いて鉱物など固体試料表面の組成分析とその元素マッピングが可能である。このイオン加速器はディスクトロン型の高電圧発生機構のため小型であり、条件を満たすことから放射線管理区域ではなく通常建屋内にて利用できる。このことは本システムを加速器教育に活用する上で大きなメリットとなっている。現在、本加速器を研究目的だけなく、加速器関連技術の初学者である大学院生への実習として活用すべく整備を進めている。本加速器の分析感度はやや低いものの、軽元素の分析に適している。現在は直径およそ100ミクロン程度のビーム径の調整が可能である。また、ビデオカメラを設置することによって真空チェンバーの窓ガラス越しに試料表面を観察しつつ、移動ステージにてビーム照射位置を調整できる。イオン加速器の運転実習としてイオンビームのフォーカスと、高電圧電極による走査が可能になるよう整備している。イオンビーム形状の観察にはプラスチックシンチレーターを用いることでフォーカス中のビーム形状の観察が容易となり、視覚的効果からも実習成果の向上が期待できる。本システムの特徴について測定例を用いつつ紹介する。