TUOL02  加速器制御/電磁石と電源1  8月9日 国際会議室 9:20 - 9:40
高精度時刻同期技術をベースとしたトリガ・タグ情報配信システムの開発
Development of a trigger and tag information distribution system based on the high-precision time synchronization technology
 
○増田 剛正((公財)高輝度光科学研究センター)
○Takemasa Masuda (JASRI)
 
 汎用ネットワークを用いたサブナノ秒以下の高精度時刻同期技術であるWhite Rabbitを用いて、SPring-8蓄積リング(RF周波数〜508.58MHz)の特定バンチに同期した〜209kHzの周回周波数信号の生成と、バケット番号や高精度同期時刻情報などの任意の付加情報を配信する、新しい概念によるトリガ・タグ情報配信システムの開発を進めている。このシステムでは時刻情報というデジタル量の配信によりトリガ信号の生成を行うため、ソフトウェアにより容易にタイミングの調整が行えるというメリットがある。またネットワークを用いて情報が配信されるため、低コストで簡便にタイミング出力ノードを増設して行くことが可能である。  システムの概念検証を行うために、マスターPCとスレーブPC、White Rabbitネットワークスイッチ2台から成るシステムを構築した。マスターPC側では、ゼロ番地信号と呼ばれる基準周回周波数信号の入力時刻を2psの時間分解能で記録する。これをN回前のプリトリガであると定義して、N回後のゼロ番地信号の絶対時刻をネットワーク経由でスレーブPCに配信する。スレーブPC側では受け取った時刻情報をもとに、特定バンチ分のオフセットを加えることで、そのバンチに同期した周回周波数信号が出力される。検証システムにおける現段階でのスレーブPCからの出力周回周波数信号のジッタはσ〜130ps程度である。