TUOL05 電磁石と電源2 8月9日 国際会議室 10:30 - 10:50 |
LHC高輝度アップグレード用超伝導磁石の開発(3) - 2mモデル磁石製作 - |
Development of superconducting magnets for LHC luminosity upgrade (3) - Fabrication of the 2m model magnet - |
○菅野 未知央,中本 建志,榎本 瞬,川又 弘史,岡田 尚起,岡田 竜太郎,東 憲男,荻津 透,佐々木 憲一,木村 誠宏,高橋 直人(KEK),Musso Andrea,Todesco Ezio(CERN) |
○Michinaka Sugano, Tatsushi Nakamoto, Shun Enomoto, Hiroshi Kawamata, Naoki Okada, Ryutaro Okada, Norio Higashi, Toru Ogitsu, Kenichi Sasaki, Nobuhiro Kimura, Naoto Takahashi (KEK), Andrea Musso, Ezio Todesco (CERN) |
CERN-LHC加速器では、積分ルミノシティを現行LHCの10倍以上である3000 fb-1まで向上させることを目指した高輝度アップグレード計画(HL-LHC)が進行中である。このために特に重要になるのが実験衝突点近傍の加速器システムの性能向上であり、KEKはこの中でビーム分離超伝導双極磁石(D1磁石)の開発を担当している。この磁石の要求性能を以下の通りである。 ・大コイル口径:150 mm ・積分磁場:35 Tm(主双極磁場5.6 T, 温度1.9 K, 運転電流12 kA) ・耐放射線性:想定される吸収線量25 MGy ・除熱性能:磁石全体入熱135 W, コイルへのピーク入熱2 mW/cm3 D1磁石製作の技術的課題として、大口径化に伴ってより顕著になる鉄ヨークの飽和を考慮した磁場設計および大口径に起因する組み立て時や励磁時のコイルの大きな変形量を考慮した設計の必要性、想定される放射線に耐え得る絶縁材料を用いた磁石開発などが挙げられる。 実機の磁石機械長は約7 mであるが、原理検証のために現在KEKで2 m長のモデル磁石の開発を行っている。要求磁場精度を満足するための磁場設計、冷却、励磁状態でコイル応力を適切に維持するための機械設計を行った。さらに設計に基づいて、Cu/Nb-Tiラザフォードケーブルを用いたコイル巻線、キュアリング、カラーリング、ヨーキング、シェル溶接の各工程を経て2 mモデル磁石の製作を完了している。 設計および磁石製作の詳細については当日の講演で説明する。 |