TUOM01  ビームダイナミクス・加速器理論  8月9日 会議室201 9:00 - 9:20
非線形光学を用いたJ-PARC核破砕中性子源へのビーム輸送技術開発
Development of beam transport to spallation neutron source at J-PARC with non-linear optics
 
○明午 伸一郎(日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター)
○Shin-ichiro Meigo (JAEA J-PARC center)
 
J-PARCでは速い繰り返し(25Hz)の3GeV陽子シンクロトロン加速器(RCS)から出射する1MWの大強度の陽子ビームを用いた核破砕中性子源(JSNS)の運転を目指している。RFの大強度化により、昨年度からRCSの数ショットの1MWビームがターゲットに重大なビーム損失を起こすことなく、輸送することに成功した。核破砕中性子源のターゲットには液体金属となる水銀を用いるが、ビーム起因の衝撃波による水銀容器のピッティング損傷が重要な問題となっている。この損傷により、米国オークリッジ研究所(ORNL)の核破砕中性子源(SNS)ではピッティング損傷が容器の寿命を決定しており、頻繁な容器の交換が必要とされている。ピッティング損傷はピーク電流密度の4乗に比例するために、ピーク電流密度を低く抑えた運転が重要となる。そこで非線形のビーム光学に着目し、八極電磁石を用いた非線形ビーム光学によるビーム平坦化技術の開発を行ってきた。さらに、RCSへの入射に用いるペイント領域を拡幅し、水平方向と垂直方向のペイント方向が逆行するanti correlateペイントを採用することにより平坦なビームを得ることが可能となった。本発表では、大強度運転における非線形光学の開発状況を報告する。