TUOM05 ビーム診断・ビーム制御/高周波源 8月9日 会議室201 10:30 - 10:50 |
J-PARC MRにおける4極キッカーとストリップラインピックアップによるビーム応答測定 |
Measurement of beam response for the Quadrupole kicker with the stripline pickup in J-PARC MR |
○中西 芳枝(京都大学大学院理学研究科),岡田 雅之,小関 忠,外山 毅,久保木 浩功(KEK/J-PARC),仲村 佳悟,中家 剛,市川 温子,南野 彰宏(京都大学大学院理学研究科) |
○Yoshie Nakanishi (Division of Physics and Astronomy ,Graduated School of Science, Kyoto University), Masashi Okada, Tadashi Koseki, Takeshi Toyama, Hironori Kuboki (KEK/J-PARC), Keigo Nakamura, Tsuyoshi Nakaya, Atsuko Atsuko, Akihiro Minamino (Division of Physics and Astronomy ,Graduated School of Science, Kyoto University) |
大強度陽子ビーム加速器、J-PARC MRでは、ビームロスがビームの出力を制限している。ビームロスの原因の一つは、空間電荷効果によるインコヒーレントチューンスプレッドであると考えられる。チューンの広がりが共鳴線に触れるとビームの振動が増幅し、ビームロスを引き起こす。チューンスプレッドの直接的な測定は、よりビームロスの少ない運転パラメータの手がかりとなる。我々は、この直接測定を目指し、4極キッカーと4極ピックアップを用いた方法を検討している。単色周波数の4極キックを加えると、その周波数に対応したチューンの粒子が共鳴し振動が増幅する。4重極振動の振幅はそのインコヒーレントチューンの粒子数の情報を含んでいると考えられる。本試験では、イントラバンチ・フィードバックで使用中の2極キッカーの配線を変更し、同位相で励振することにより4極キッカーを実現した。ビーム応答の測定には、キッカーの上流に位置する4電極ピックアップを用いた。6種類の周波数でキックを加えた結果、キッカーによるビームの応答が観測された。この結果はチューンの計算値に対応していると考えられる。今後は、より詳細なビーム試験と、シミュレーションを行い、ビームの振幅とチューンスプレッド分布の関係性を解明する予定である。本発表では4極キッカーの原理、ビーム試験の方法と結果、考察、今後の課題についての説明を行う。 |