TUP005  ハドロン加速器  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
RCNPにおけるサイクロトロン入射部およびBT系の開発
Developments of Injection of Cyclotrons and Beam Transport at RCNP
 
○依田 哲彦,福田 光宏,畑中 吉治,安田 裕介,島田 健司,鎌倉 恵太,斉藤 高嶺,田村 仁志,森信 俊平(阪大RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Mitsuhiro Fukuda, Kichiji Hatanaka, Yusuke Yasuda, Kenji Shimada, Keita Kamakura, Takane Saito, Hitoshi Tamura, Shunpei Morinobu (RCNP, Osaka Univ.)
 
中高エネルギーのイオンビームの大強度化は、陽子ビームにより生成される中性子やミューオンや、重イオンにより生成されるRIビーム等、2次ビームへの需要の高まりに伴い、非常に重要なテーマである。 阪大RCNPサイクロトロン施設はAVFサイクロトロン及びリングサイクロトロンのカスケードで構成されているが、このイオンビーム大強度化を目指して、それぞれのサイクロトロンの入射効率の向上、及びビーム輸送系の効率の向上を目的とした、改良・開発を行った。AVFサイクロトロンの中心軸入射ラインではビーム透過効率向上のため、既存の磁石列に1台グレーザーを追加することでこの問題の解決を図った。また、この軸入射ラインには既に1台バンチャーが設置されているが、近年需要の多いXeなどの重イオンに対しては電圧が十分ではなかったためもう1台充放電型バンチャーを追加することにより、特に重イオンのバンチングに対応した。この新設バンチャーはテストの結果、軽イオンに対しても有効であることが分かった。更に、リングサイクロトロンの入射効率向上を目指して、入射ライン上のバッフルスリットの開口を拡げ、入射軌道の自由度を高めるということも行った。その結果、リングサイクロトロンの透過効率の向上が図られた。ただし、この透過効率は2台のサイクロトロン間のビーム輸送の状況にも依存性が見られた。講演では、これらの開発状況の詳細について発表する。