TUP060  電子加速器  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
パルスマグネット架台のモーター駆動制御
Motor-driven Control of Support Structure for Pulse Magnets
 
○牛本 信二(三菱電機システムサービス(株)),榎本 嘉範,肥後 寿泰(高エネルギー加速器研究機構)
○Shinji Ushimoto (Mitsubishi Electric System & Service Co. Ltd.), Yoshinori Enomoto, Toshiyasu Higo (KEK)
 
KEKB 入射器は、異なるエネルギーの電子又は陽電子を要求する4つのリングのどれか一つに、20ms 毎に選別して供給する必要がある。特に SuperKEKB に向けた高度化に於いて、ビームをパルス毎に最適な条件で輸送するため、ダンピングリングより下流側では主にパルスマグネットに置き換える準備を進めている。これに求められる低エミッタンスビームの輸送には、磁石に σ〜0.1mm 級の高いアライメント精度が要求されている。 置き換え場所にあるこれまで使用してきた架台の多くは、上下流の加速ユニット架台間に橋掛けした状態で設置されており、両側の架台と機械的に連結することでアライメントを実現していた。この方式では磁石架台の独立調整が不可であり、要求される高精度なアライメントの実現・維持が困難であった。 新たに開発をおこなっている架台では、パルスマグネット(四重極電磁石 QD/QF、ステアリング用偏向電磁石 X/Y) 4台を同一架台上で精密にアライメントして固定する。その架台をビームライン上で微調整し、高精度のアライメントを実現する。 架台の支持および調整機構にはスクリュージャッキを使用した。このジャッキはウォームギアで駆動され、重量物でも低トルクで動かすことができる。またモーターを取り付けることで、遠隔制御によるアクティブアライメントが実現できる。 本報告ではパルスマグネット架台の位置制御機構の詳細と動作試験結果について紹介する。