TUP066  光源加速器  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
極短周期アンジュレータの開発III
Development of very short period undulators III
 
○山本 樹(高エネ機構・放射光)
○Shigeru Yamamoto (KEK-PF)
 
低いエネルギーの光源加速器において,低次のアンジュレータ放射を用いつつ,より高いエネルギーの放射の実用化を目指して,“極短周期” アンジュレータのための研究開発を行っている。 本研究では周期長4mmを目標に設定し,幅20mm x 厚さ2mm x 長さ100mm(25周期)の板状のNdFeB製板に,周期的交番磁気回路を高精度・高強度で書き込む方式の開発を行ってきた。着磁後に対向させた一対の磁石板の間の隙間(磁石ギャップ)にアンジュレータ磁場を生成することができる。現在1.6mmの狭小ギャップに約4kGの極短周期磁場(周期長4mm)を生成することが可能になった。実測磁場に基づく評価は,この磁場からの放射光が優れた輝度特性を持つことを示している。 周期長4mmについては磁石素材の改善によって,より長尺の152mmの板状磁石(38周期: 幅,厚さは同上)の利用が可能になった。しかし,板状素材の製造工程上の制約のために,この長さを大幅に超える素材の製造は困難である。したがって,数100mmを超える長尺のアンジュレータ磁場を生成するためには,複数の磁石板を長手方向に接続する方法の開発が重要な課題になる。このために行った着磁方式・着磁ヘッドの最適化と,得られた成果について報告する。 さらに、周期長2mm程度の短周期を目指した着磁法開発,現在計画している,実在電子ビームを用いた(放射および極短周期アンジュレータの)評価実験の可能性について触れたい。