TUP068  光源加速器  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
日大LEBRA-PXRビームラインにおけるTHz波-X線ビーム重畳システムの開発
DEVELOPMENT OF THE SYSTEM SUPERPOSING THZ-WAVES ONTO AN X-RAY BEAM AT THE LEBRA-PXR BEAMLINE
 
○早川 恭史,早川 建,中尾 圭佐,野上 杏子,境 武志(日大LEBRA),清 紀弘(産総研),田中 俊成(日大LEBRA)
○Yasushi Hayakawa, Ken Hayakawa, Keisuke Nakao, Kyoko Nogami, Takeshi Sakai (LEBRA, Nihin Univ.), Norihiro Sei (AIST), Toshinari Tanaka (LEBRA, Nihin Univ.)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)ではパラメトリックX線放射(PXR)を放射原とするX線原を運用し,ユーザ利用実験にX線ビームを供給している.このPXRビームラインに設置されていたプロファイルモニタ用のターゲット挿入機構を流用し,金属箔をターゲットとした場合に発生する,THz領域のコヒーレント遷移放射(CTR)の特性研究を実施してきた.これまでのところ,0.3-2THzの周波数領域でマクロパルスあたり1mJ近い放射エネルギーを観測しており,THz光源として十分な強度が得られることが分かった.THz波の利用実験を容易にするため,既存のPXRビームラインを利用してTHzビームを加速器本体室から常時立ち入り可能な実験ホールへ取り出すシステムの開発に着手した.PXRビームを用いたX線利用実験との両立を考慮して,THz波をX線ビームに重畳して輸送するし,THz波とX線の同時利用を可能にするという方針で設計を進めた.THz波とX線の重畳にはベリリウム基板の平面鏡を用いることにし,既存の真空槽の天板の改造することでミラー系の挿入・退避システムを実装することにした.本システムの設計・製作は完了しており,既にPXRビームラインに組み込まれている.システムの概要および試験した結果について報告する.