TUP087  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
あいちSRにおける入射時ビーム変動の高速観測と評価
High-speed observation and evaluation of the beam fluctuation at injection timing in Aichi SR
 
○山村 光平(名大院工),高嶋 圭史,保坂 将人,持箸 晃,真野 篤志(名大SRセンター),山本 尚人(KEK),加藤 政博(UVSOR)
○Kouhei Yamamura (Graduate School of Engineering, Nagoya University), Yoshifumi Takashima, Masahito Hosaka, Akira Mochihashi, Atsushi Mano (Synchrotron Radiation Research Center, Nagoya University), Naoto Yamamoto (High Energy Accelerator Research Organization, KEK), Masahiro Katoh (UVSOR Facility, Institute for Molecular Science)
 
あいちSRの加速器は、50MeVの直線加速器と1.2GeVの ブースターシンクロトロンが1.2GeVの電子蓄積リング(周長72m)の内側に配置された構成になっている。 平成25年3月の稼動開始時よりトップアップ運転を行っており、入射の周期は1Hzである。 現在、入射の際に4台のキッカー電磁石により発生するバンプ軌道(リング半周程度)を利用した方法をとっている。しかしこの方法は、大きな軌道変動によりバンプ軌道内に存在するビームラインで放射光が取り出せない。この対策として、我々はキッカー電磁石の代わりにパルス六極電磁石(PSM)を用いることで、蓄積ビームに影響を与えない入射方法の実現を目標として、準備を進めてきた。 2015年11月にPSMを導入し、現在は試験運転中である。本研究では入射時のPSM励磁による蓄積ビームへの影響を、BPM信号解析と高速ゲートカメラによるビームプロファイル測定により調べた。PSMの磁場発生直後の蓄積ビームの位相空間上での位置および形状を測定した結果、蓄積ビームがPSM磁場によりキックされ、重心振動を始めることと、ビームの水平方向広がりが最大で4.0mm程度に大きくなっていることが分かった。これらの実験結果と計算による予測値の比較を行うことで、入射時蓄積ビーム変動を理論的に解明し、その解消とPSM入射の実現を目指す。本発表では、入射直後の蓄積ビームの位相空間上位置と水平方向広がり、および計算値との比較について報告する。