TUP088  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
高温超伝導SQUIDビーム電流モニターの高感度・小型化
Sensitivity improvement and miniaturization of HTc-SQUID beam current monitor
 
○渡邉 環,福西 暢尚(理研),稲森 聡,今 康一(ティーイーピー株式会社)
○Tamaki Watanabe, Nobuhisa Fukunishi (RIKEN), Satoru Inamori, Kouichi Kon (TEP Corporation)
 
理研仁科加速器研究センターにおいて、重イオンビームのDC電流を、非破壊で高感度に測定するために、脳磁や心磁の測定に利用される超伝導量子干渉素子SQUID (Superconducting Quantum Interference Device)を応用した、ビーム電流モニター(SQUIDモニター)の開発を行ってきた。既に完成したプロトタイプSQUIDモニターを、RIビームファクトリーのビームラインにインストールし、現在、サイクロトロンで加速されたウランなどの重イオンビームの電流測定を行っている。本研究では、臨界温度の高い高温超電導体を用い、冷凍機によって冷却を行っているため、装置はコンパクトになり、ランニングコストの大幅な低減が可能となった。このプロトタイプより、さらに高感度・小型化することを目的として、新しい方式による開発を開始した。高感度・小型化を実現するためには、1.高温超伝導電流センサー、2.高温超伝導SQUID、3.高透磁率マグネティックコア、の開発が必要である。特に、高温超伝導電流センサーの製作に於いては、銀基盤上にビスマス系の高温超伝導体(Bi2212)を溶融法によって形成する。今回の学会においては、SQUIDモニターの高感度・小型化を実現するための検討結果と、現在の開発状況について報告をする。