TUP096  加速器制御  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
光陰極の2次元高解像度QE分布測定装置の開発
Development of high resolution QE map acquisition system for photo-injector
 
○亀田 吉郎(東日技研),山本 将博,帯名 崇,金 秀光,宮島 司(高エネ研),西森 信行(量子科学技術研究開発機構)
○Yoshiro Kameta (e-JAPAN IT Co., Ltd.), Masahiro Yamamoto, Takashi Obina, Xiuguang Jin, Tsukasa Miyajima (KEK), Nobuyuki Nishimori (QST)
 
光陰極の量子効率(QE)についてその詳細な2次元分布を知ることは、発生するビームの初期分布を知るあるいは制御する上で重要である。またQE分布測定は光陰極薄膜の作製後の評価や、様々な要因によって起こる光陰極の劣化の分析にも活用できる。ここでは、cERL電子源のカソード準備装置でQE分布測定を行えるようその装置の開発について述べる。開発目標として、構成機器は入手が容易でかつ小型であり、0.1mm程度の空間分解能で素早くスキャンできることとした。 装置/制御についてだが、光学系では安価なレーザーモジュール、ミラーとレンズが各1枚とフィルターで構成され、照射レーザーの位置制御は2台のアクチュエータで行う。検出系では真空中に簡易なコレクタ電極を設置して汎用DC電源で電極に数十ボルトの正電位を印可することで光電子を収集しデジタルマルチメータで測定する。一般的な光陰極のサイズは10mm相当あり、周囲を含め全域を0.1mm間隔で測定すると測定点は1万点を超え、全ての測定点で位置制御と情報取得を行う方法では非常に時間がかかる。そこで制御では、アクチュエータの特性を考慮しつつ、レーザーを一定速度でスキャンさせながら一定間隔でデータを計測しバッファする方法を採用した。 これらを踏まえ、目標とする空間分解能でかつ10分程度でQE分布を得られる装置を開発した。本発表では、装置に関する詳細および実際の測定で得られたQE分布の結果について報告する。