TUP099  ビームダイナミクス・加速器理論  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
RFKO装置におけるインピーダンストランスフォーマーに関する研究‐ITの周波数特性についての検討‐
Study on impedance transformer in RFKO system - Consideration of the frequency characteristics of the IT -
 
○西原 亮輔(日本大)
○Ryosuke Nishihara (Nihon Univ.)
 
重粒子線がん治療において効果的なビーム照射法としてスポットスキャニング法がある。この照射法を行うにはシンクロトロンからのビーム取り出しの高速制御が必要であり、それに適したビーム取り出し法としてQAR法を提案している。QAR法はパルス四極電磁石と高周波ノックアウト(RFKO)装置を用いてビームを取り出す方法である。RFKO装置はRFKO電極、インピーダンストランスフォーマー(IT)、All Pass Network(APN)で構成されており、平行平板(RFKO電極)に高周波電界を与えて周回粒子に力を加えることで拡散させる装置である。周波数帯は1〜17MHzを必要とする。RFKOに高電圧を印加するためには一般に高周波電源とRFKOの間にインピーダンス整合と昇圧のための高周波用のITが用いられる。本研究は変換比率が9:1以上のITを目標としている。現段階において、変換比率を上げると入力電圧、出力電圧共に低下するという問題がある。これまでの研究において、ITのインダクタンスLを大きくすることで低周波側での改善は見られたが、高周波側での改善には至っていない。現在、MATHEMATICAを用いた等価回路解析により高周波側で特性が劣化する原因を調べるとともにITの試作を行い、実験的にも改善策を検討している。本発表では、これらの実験、計算結果について報告する。