TUP108 電磁石と電源 8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
J-PARCメインリング 入射補正キッカー電磁石のアップグレード |
Upgrade of Compensation Kicker Magnet for J-PARC Main Ring |
○杉本 拓也,石井 恒次,芝田 達伸,松本 浩(KEK),Fan Kuanjun(中国華中科技大学) |
○Takuya Sugimoto, Koji Ishii, Tatsunobu Shibata, Hiroshi Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST, China) |
J-PARC加速器メインリングでは、2台のセプタム電磁石と4台の集中定数型キッカー電磁石を用いて、上流のRCS加速器から供給される3GeVの陽子ビームを計8バンチ入射している。2013年に実施した補正回路の導入により、入射キッカー電磁石のパルス波形の立ち上がり時間は、350nsから190nsにまで改善した。これにより、RF加速空洞に2倍高調波を重畳して、バンチ長をビーム軸方向に最大400nsにまで伸ばす事が可能となった。しかしながら、連続する2つの反射波により、複数の周回バンチが蹴られ、入射ビームロスの主な原因となっていた。これらの軌道を補正するためには、短時間に2つのパルス磁場を生成する事が必要であった。2015年の加速器学会(THOM01)において報告したシステムでは、1台のキッカー電磁石に対し、ダイオードで整流した2台のパルス電源の出力を供給して、2つのパルス磁場を生成しようとした。しかしながら、ダイオード部での反射波の影響により、意図したパルスを形成出来なかった。よって、今回は2台の電磁石 (集中定数型、磁極長470mm、最大積分磁場6.1e-3Tm)に対し、2つのパルス電源を接続する事で、2つのパルス磁場を生成する事にした。2016年1月にトンネル内(入射キッカー電磁石の下流約80m)に電磁石を設置した。本発表では電磁石のデザインとサーチコイルによる磁場測定、ワイヤーによるインピーダンス測定、陽子ビームを用いた性能評価について報告する。 |