TUP113  電磁石と電源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARCミュオン科学実験施設D-Line用超伝導輸送ソレノイドの設計・製作
Design and Manufacture of Superconducting Transport Solenoid for D-Line at J-PARC Muon Science Facility
 
○田中 靖之,仙波 智行,中島 翔太郎,萩原 好晃,木戸 修一(日立製作所),佐々木 憲一,下村 浩一郎,河村 成肇,ストラッサー パトリック,槙田 康博,大畠 洋克,黒澤 宣之,三宅 康博(高エネルギー加速器研究機構)
○Yasuyuki Tanaka, Tomoyuki Semba, Shotaro Nakajima, Yoshiaki Hagiwara, Shuichi Kido (Hitachi, Ltd.), Ken-ichi Sasaki, Koichiro Shimomura, Naritoshi Kawamura, Patrick Strasser, Yasuhiro Makida, Hirokatsu Ohhata, Noriyuki Kurosawa, Yasuhiro Miyake (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK)ではJ-PARCミュオン科学実験施設(MUSE)を2008年より運営している。4つのミュオンビームラインのうち、汎用ミュオンビームライン(D-Line)では超伝導ソレノイドを用いて、運動量レンジが数MeV/cから120MeV/cの正・負ミュオンビーム(高速/崩壊ミュオン)と高強度の30MeV/c正ミュオンビーム(低速/表面ミュオン)を様々な科学プログラムへ供用してきた。D-Lineは他のJ-PARC施設と同様に東日本大震災により重大な被害を受け、超伝導輸送ソレノイドを再製する必要が生じた。新たに設計・製作したソレノイドの設計諸元を以下に示す。ソレノイド長:6m、ウォームボア径:0.2m、中心磁場:3.5T、定格電流415A、超伝導線:NbTi/Cu、クエンチ保護方式:クエンチバックヒータ。全長6mのソレノイドは12個の長さ0.5mコイルを直列接続する構成とした。ソレノイド全体はヘリウム冷凍機より供給される超臨界ヘリウム強制流により間接冷却され、電流リードを含めたシールド系全体についてもガスヘリウム強制流により間接冷却される。本報では新たに製作したD-Line用超伝導輸送ソレノイドの設計及び製作プロセス、完成後の常温磁場測定について報告する。