TUP114  電磁石と電源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
あいちSRにおける永久磁石を用いた偏向磁石の開発
Development of permanent dipole magnet for Aichi SR storage ring
 
○福江 修平(名古屋大学大学院),高嶋 圭史,保坂 将人,持箸 晃,真野 篤志(名古屋大学SR研究センター),庄司 善彦(兵庫県立大学),加藤 政博,林 憲志(分子科学研究所 UVSOR)
○Shuhei Fukue (Nagoya University), Yoshihumi Takashima, Masato Hosaka, Akira Mochihashi, Atsushi Mano (NUSR), Yoshihiko Shoji (University of Hyogo), Masahiro Katoh, Kenji Hayashi (UVSOR)
 
我々は、あいちSR蓄積リングへの導入を目指して、永久磁石を用いた偏向磁石の開発を行っている。従来の偏向電磁石に代わる省エネ・低コストである新たな偏向磁石を開発し、次世代加速器への応用を目的としている。 永久磁石を用いた偏向磁石は、電力を要さないことに加えて、付帯設備が不要なため、コンパクトであることやメンテナンス減といった点も見込まれ、従来の電磁石に比べて導入する利点は大きい。 本研究では、永久磁石の中でも良好な磁気特性を有するネオジム磁石を用いることとした。偏向磁石は放射光発生源のためC型のヨーク(ギャップ50 mm)であり、さらに既存の電磁石に置き換えられるよう空間的制限を考慮する必要がある。そのヨーク内にネオジム磁石を配置することで得られる電子軌道上の磁力が要求値 (磁束密度1.4 T , 有効範囲±30 mm) を満たす形状を模索した。 手法は、磁場解析ソフトを用いて二次元及び三次元の磁場シミュレーションをおこなった。ヨーク内に永久磁石を配置した様々な偏向磁石の形状についてシミュレーションを繰り返し、電子軌道上の磁束密度とその有効範囲を定量的に評価した。 本発表では、要求値を満たすに至るまでの永久磁石を用いた偏向磁石の設計及び現在検討中の試作品の評価方法について報告する。