TUP135  加速器土木・放射線防護  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
KEKB入射線形加速器トンネル床変動の測定(3)
Measurement of floor movement in the KEKB injector LINAC tunnel (3)
 
○田中 窓香,肥後 寿泰,諏訪田 剛,柿原 和久,榎本 嘉範(KEK),牛本 信二,水川 義和(三菱電機システムサービス株式会社)
○Madoka Tanaka, Toshiyasu Higo, Tsuyoshi Suwada, Kazuhisa Kakihara, Yoshinori Enomoto (KEK), Shinji Ushimoto, Yoshikazu Mizukawa (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.)
 
KEKB電子陽電子入射器のビームラインがあるトンネルの床は、地上部や地下環境と連動し、気象条件によっても変動していることがわかっている。特に、トンネル内に複数ヶ所ある建屋結合部付近に著しい変動が見られる。SuperKEKBへのアップグレードでは、エミッタンス保存のために、全長約600 mのビームラインにわたってグローバルでσ=0.3 mm、ローカルでσ=0.1 mmの精度のアライメントが要求される。この高精度アライメントを実現するため、基線となるレーザー光軸位置を加速ユニット架台に取り付けられた四分割型シリコンフォトダイオードで検出するシステムを導入している。このシステムを用いて、2014年には初期のアライメントを実施し、その後1〜数ヶ月毎に位置測定を行っている。この測定の結果、1年間で建屋結合部において数mmの変動が見られることを確認した。この動きの詳細を知るため、建屋結合部にダイヤルゲージを設置し、2つの建屋の相対運動の測定を行っている。その結果、最大で40 um程度の日変動が観察され、ビームラインのアライメントに大きな影響を及ぼさないことがわかった一方、500 um程度の年周期の変動が見られた。この変動量はビーム運転に影響を及ぼすと考えられる。また、2015年から測定箇所を増やした結果も併せて報告する。