WEOL03  加速器応用・産業利用1/加速器土木・放射線防護1  8月10日 国際会議室 10:50 - 11:10
高精度飛程測定のためのRF-knock out 取り出し試験及びその評価
Experiment of RF-knock out Extraction for high precision range measurement
 
○菊池 遥(群馬大学大学院医学系研究科),想田 光,金井 達明,平野 裕之(群馬大学重粒子線医学研究センター),Sung Hyun Lee,大崎 晃平(群馬大学大学院医学系研究科),取越 正己(群馬大学重粒子線医学研究センター)
○Haruka Kikuchi (Gunma University), Hikaru Souda, Tatsuaki Kanai, Hiroyuki Hirano (Gunma University Heavy Ion Medical Center), Lee Sung Hyun, Kohei Osaki (Gunma University), Masami Torikoshi (Gunma University Heavy Ion Medical Center)
 
群馬大学では、シンクロトロンにより炭素イオンを400MeV/nまで加速しがんの治療を行っている。現在はブロードビーム照射により行っており、ビーム取り出しにはRF加速による遅い取り出しを採用している。今後スキャニング照射による治療も検討されており、飛程変動を抑えるためにRF-knock outによる取り出しが必要となる。また今後行う平均励起ポテンシャルの測定においても、RF-knock outによるビームを採用する予定である。この測定は、ビームの飛程の変化から各物質の平均励起ポテンシャルを求める実験である。この実験にRF-knock outを採用する理由として、加速取り出しに比べるとエネルギーの変動が一桁小さい・ビームの位置変動が少ないという特徴があり、正確な飛程測定に向いているためである。現在群馬大学には140 , 290 , 400MeV/nのRF-knock out 取り出しのOPFファイルが存在する。しかし実験には、新たに170MeV/nでのRF-knock out 取り出しによるビームを使用する。これは実験に使用する高精度水カラムの測定可能範囲に合わせ、かつエナジーストラグリングをできるだけ軽減させるためである。そのため今回新たに作成した170MeV/nでの取り出し実験を行い、400MeV/nとビーム状態(ビーム漏れがないか・チューン・クロマティシティ)の比較・評価を行う。その上で今後行う平均励起ポテンシャルの測定実験に用いることができるか、また治療にも用いることができるかなどの検討を行う。