WEOL06  加速器応用・産業利用1/加速器土木・放射線防護1  8月10日 国際会議室 11:30 - 11:50
無人ヘリコプターによる光波測距儀の気象補正の高精度化
High accurate way of meteorological correction for the EDM by the Drone
 
○三島 研二((株)パスコ),増澤 美佳,大澤 康伸,安達 利一,川本 崇,山岡 広(高エネルギー加速器研究機構),海津 優,福島 芳和,阿部 直宏,宮坂 正樹,中村 保彦((株)パスコ)
○Kenji Mishima (PASCO), Mika Masuzawa, Yasunobu Ohsawa, Toshikazu Adachi, Takashi Kawamoto, Hiroshi Yamaoka (KEK), Yu Kaitsu, Yoshikazu Fukushima, Naohiro Abe, Masaki Miyasaka, Yasuhiko Nakamura (PASCO)
 
本研究は,ドローンに搭載した気象観測機器で得られた気温,気圧,湿度で光波測距儀の測定距離を補正することで,大型加速器の建設時あるいは保守点検時の測量&アライメントの精度を向上させることが目的である. 測量&アライメントに用いられる光波測距儀(Electromagnetic Distance Measure,以下「EDM」とする )は,EDM本体から送光されたレーザ光は大気の屈折率の影響を受ける.そのため,従来は器械点と反射点の両測点で気温,気圧,湿度を測定し,両測点の平均値で測定距離に補正計算をしている.加速器トンネルのような密閉された空間では,気象分布が均一であることが容易に推測でき,両測点の平均値が光路沿いの気象を代表するとして補正することは問題ないと思われる.しかし,地上部の測量のように開放された空間では両測点の平均値が必ずしも光路沿いの気象を代表しているかは疑問である. 本実証実験では,気象観測装置を搭載した無人ヘリコプタ(Drone)を光路沿いに飛行させて気象観測することによって,光路沿いの気象分布を明らかにすることを試みた. 高エネルギー加速器研究機構の敷地内で実証実験をおこない,現行の両測点の気象測定の平均値で光路沿いの気象を代表しているとしても差し支えがないことを確認した. 今後の大型加速器の建設時あるいは保守点検時の高精度化に資することができものである.