WEOL09  加速器土木・放射線防護2/粒子源2  8月10日 国際会議室 13:50 - 14:10
SPring-8蓄積リング収納部床面レベルの長期変位解析
Analysis of the long term floor deformation of SPring-8 ring tunnel
 
○木村 洋昭,岡安 雄一,張 超,安積 則義(JASRI),松井 佐久夫(RIKEN)
○Hiroaki Kimura, Yuichi Okayasu, Zhang Chao, Noriyoshi Azumi (JASRI), Sakuo Matsui (RIKEN)
 
SPring-8の蓄積リング(周長約1.5km)のように大型の加速器の場合には、長期的・短期的に安定な収納部床面であるかが、性能や維持管理のコストを左右する。その為、安定な岩盤の上に建屋を建設できる現在の場所が選定された。そのおかげで、1997年の供用開始以来、床面の変位に対応する為の加速器の再アライメントは一度も行っていないが、加速器運転上の大きな問題になってはいない。 一方、SPring-8では次期計画に向けて、極低エミッタンスの蓄積リングの設計を行っている。このリングでは、架台間のアライメント許容値として約50μm(1σ)という現リングの4分の1の値が要求されている。そこで、現状の収納部床面の変位を調査し、大きな変位がある場合はその原因特定を行うこととなった。 1996年の設置当時、リング加速器の全周の高低差は±0.5mm程度であったのが、2014年では±2mm程度になっていた。解析には、高さではなく積分する前の比高差の変位を使用した。大きな経年変位の場所は主にRF用の地下ピットで、比高差の年間最大変位は50μm程度であった。又、近年の夏と冬の測定データから同様に季節変位を抽出した。変位の原因は主に埋設排水管と地下通路、建屋下通過道路で、年間最大変位は200μm程度であることがわかった。