WEOL11  加速器土木・放射線防護2/粒子源2  8月10日 国際会議室 14:30 - 14:50
SiC複合材料を用いた陽子加速器標的の開発
Development of SiC composite material for proton-accelerator target
 
○牧村 俊助(高エネ研),佐藤 朗(大阪大),朴 峻秀(室蘭工大),的場 史朗(高エネ研),二宮 和彦,嶋 達志,鈴木 智和(大阪大),河村 成肇,下村 浩一郎,三原 智(高エネ研),青木 正治(大阪大),中平 武(高エネ研)
○Shunsuke Makimura (KEK), Akira Sato (Osaka Univ.), Joon-soo Park (MIT), Shiro Matoba (KEK), Kazuhiko Ninomiya, Tatsushi Shima, Tomokazu Suzuki (Osaka Univ.), Naritoshi Kawamura, Koichiro Shimomura, Satoshi Mihara (KEK), Masaharu Aoki (Osaka Univ.), Takeshi Nakadaira (KEK)
 
素粒子実験、物理実験において世界中で大強度陽子加速器のパイオン・ミュオン生成標的材料として、優れた耐熱性能、機械特性、パイオン・ミュオン生成効率の観点から等方性黒鉛材が採用されている。我々は、等方性黒鉛に代わる標的材料として炭化ケイ素(以下;SiC)複合材料を採用する事を計画している。SiC材は、等方性黒鉛と同様に耐熱特性、機械特性に優れていると同時に、耐酸化性能、放射性物質を標的中に閉じ込めるガス遮蔽性能は等方性黒鉛材よりも優れている。密度も等方性黒鉛に比べ高く(3.2 g/cc)、パイオン・ミュオン発生源を局所化することにより高いミュオン輸送効率を期待できる。モノリシックSiCは脆性材料であり熱衝撃に弱いという欠点を持つが、その欠点を解消するためにSiC複合材料の実用化が室蘭工業大学において進められている。この複合材料は、繊維の積層方向によって、熱、強度特性を制御できると同時に擬延性を持たせる事が出来る。現在、大阪大学RCNP/MuSIC計画、J-PARC/COMET第一期計画、J-PARC/MLFの等方性黒鉛標的をSiC複合材料に交換することを目指し、基礎実験、評価を計画している。本発表内ではSiC複合材料を用いた陽子加速器標的の開発状況を報告する。 本研究はJSPS科研費16H03994の助成を受けたものです。