WEOL13 加速器応用・産業利用2 8月10日 国際会議室 15:20 - 15:40 |
炭素線治療用超伝導回転ガントリーの開発 |
Development of a superconducting rotating-gantry for carbon radiotherapy |
○岩田 佳之,野田 耕司,白井 敏之,藤田 敬,佐藤 眞二,古川 卓司,原 洋介,水島 康太,皿谷 有一,丹正 亮平,森 慎一郎(放医研),藤本 哲也(加速器エンジニアリング),松葉 俊哉(広島大),荻津 透(高エネ研),雨宮 尚之(京大工),長本 義史,松田 晋也,折笠 朝史,高山 茂貴(東芝) |
○Yoshiyuki Iwata, Koji Noda, Toshiyuki Shirai, Takashi Fujita, Shinji Sato, Takuji Furukawa, Yosuke Hara, Kota Mizushima, Yuichi Saraya, Ryohei Tansho, Shinichiro Mori (NIRS), Tetsuya Fujimoto (AEC), Shunya Matsuba (Hiroshima Univ.), Toru Ogitsu (KEK), Naoyuki Amemiya (KUEE), Yoshifumi Nagamoto, Shinya Matsuda, Tomofumi Orikasa, Shigeki Takayama (Toshiba) |
粒子線がん治療において、粒子ビームを患者に対して任意の角度から照射可能とさせる回転ガントリーは重要な装置であり、陽子線がん治療装置では標準採用されるに至っている。一方、炭素線用回転ガントリーは、搭載される電磁石に必要な磁気剛性が陽子線用のそれに比べ約3倍高いことから、電磁石群やそれらを支える構造体のサイズ・重量が非常に大型となる。現在、炭素線用回転ガントリーは世界で唯一、ハイデルベルグに建設され稼働中であるが、その回転部重量は600tを超えると報告されている。我々は回転ガントリーの小型・軽量化のため、超伝導回転ガントリーの開発を進めてきた。この回転ガントリーは主に10台の超伝導電磁石と、1対のスキャニング電磁石により構成されており、最大430 MeV/uの炭素イオンを患者に対し0-360度の如何なる方向からも高速3次元スキャニング法にて照射を行うことができる。また、二極・四極磁場が同時発生且つ、独立励磁可能な機能結合型超伝導電磁石を採用することで、全長14m、ビーム軌道半径5.5m、重量約300tと大幅な小型・軽量化を実現している。超伝導回転ガントリーは製造後、平成27年初頭より放医研への輸送並びに組立工事が行われ、同年9月に完成した。その後、ビームコミッショニングが行われ、所期の性能が得られていることを確認した。本発表では超伝導回転ガントリー研究開発の概要、並びにビームコミッショニング結果について紹介する。 |