WEOM11  高周波加速空胴/LLRF  8月10日 会議室201 14:30 - 14:50
SACLA線型加速器におけるショットごとバンチ長制御のためのRFパラメータ切り替え
Shot-by-shot RF Parameter Switching for Bunch Length Control at the SACLA Linac
 
○前坂 比呂和,大島 隆(理研 放射光科学総合研究センター),松原 伸一(高輝度光科学研究センター),森本 理(スプリングエイトサービス),大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター)
○Hirokazu Maesaka, Takashi Ohshima (RIKEN SPring-8 Center), Shin-ichi Matsubara (JASRI), Osamu Morimoto (SPring-8 Service), Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center)
 
SPring-8アップグレード計画では、560 pm rad以下の低エミッタンスビームを入射する必要があるため、現状のシンクロトロンではなく、SACLA線型加速器から入射することとなっている。SACLAでは通常、X線自由電子レーザ (XFEL) を発生させるために10 fs程度の極短バンチを生成しているが、蓄積リング入射においてはビーム輸送路におけるコヒーレントシンクロトロン放射 (CSR) によるエミッタンス悪化を防ぐため、1 ps程度のバンチ長で入射する必要がある。そこで、SACLA線型加速器のバンチ圧縮部の加速RFパラメータをショットごとに切り替えることにより、ショットごとにバンチ長の異なるビームを生成する方法をとることを検討している。まず、原理検証のため、バンチ圧縮部のある1ユニットの加速RFパラメータをショットごとにバンチング位相・デバンチング位相を交互に切り替える試験をおこなった。その結果、適切なRFパラメータ切り替えができているだけでなく、短バンチ (20 fs FWHM) と長バンチ (100 fs FWHM) が適切に生成されていることをRFデフレクタ空洞によるバンチ長測定で確認した。今後、不定期な入射要求にも対応できるよう、オンデマンドなRFパラメータ切り替えができるイベント・タイミング・RFシステムを開発している。本発表では、これまでの試験結果を報告するとともに今後の展望について触れることとする。