WEOM14  光源加速器  8月10日 会議室201 15:40 - 16:00
SACLA BL1における軟X線FELの発振と調整の状況
First lasing and commissioning status of the EUV-FEL beamline at SACLA
 
○稲垣 隆宏,渡川 和晃,原 徹,大竹 雄次,大和田 成起,金城 良太,田中 隆次,長谷川 照晃,前坂 比呂和,矢橋 牧名,田中 均,石川 哲也(理化学研究所/SPring-8),安積 隆夫,安積 則義,大島 隆,木村 洋昭,近藤 力,櫻井 辰幸,富樫 格,登野 健介,備前 輝彦,細田 直康,松井 佐久夫,松原 伸一(高輝度光科学研究センター/SPring-8),田尻 泰之,田中 信一郎(スプリングエイトサービス)
○Takahiro Inagaki, Kazuaki Togawa, Toru Hara, Yuji Otake, Shigeki Owada, Ryota Kinjo, Takashi Tanaka, Teruaki Hasegawa, Hirokazu Maesaka, Makina Yabashi, Hitoshi Tanaka, Tetsuya Ishikawa (RIKEN SPring-8 Center), Takao Asaka, Noriyoshi Adumi, Takashi Ohshima, Hiroaki Kimura, Chikara Kondo, Tatsuyuki Sakurai, Tadashi Togashi, Kensuke Tono, Teruhiko Bizen, Naoyasu Hosoda, Sakuo Matsui, Shinichi Matsubara (JASRI/SPring-8), Yasuyuki Tajiri, Shinichiro Tanaka (SPring-8 Service Co. Ltd.)
 
自由電子レーザー施設SACLAでは、レーザー波長域の極紫外線〜軟X線への拡大と実験への供用を目的として、SACLAビームライン1(BL1)に専用の加速器を設置した。加速器の主要な部分はSACLAのプロトタイプ機であるSCSS試験加速器を移設し、Cバンド加速器を1台追加して電子ビームのエネルギーを500 MeVに上げた。また、アンジュレータも3台に増やすと共に磁石列を交換してレーザーの強度を高められるようにした。2015年9月より開始したビームコミッショニングでは、加速器の上流から順に、電子ビームの軌道やエンベロップ、バンチ圧縮などの調整を行い、ビームを最終ダンプまで導いた。そしてアンジュレータの磁石列を閉じると、下流の光検出器にて波長30 nmのSASE増幅を観測することができた。その後、バンチ圧縮に関係する高周波電力・位相やビーム軌道等の詳細な調整や光診断系の整備・調整を行い、現在では波長30 nmにてパルスエネルギー20 micro-J程度のSASEレーザーを恒常的に発生させることができている。今後も条件の最適化を行い、今夏からのユーザー実験に提供する予定である。また今夏にはCバンド加速器を2台追加して電子ビームエネルギーを800 MeVに上げ、波長12 nmまでの短波長化を行う予定である。本発表では、ここまでの調整の過程や、現在の電子ビームやSASEレーザーの諸特性について報告する。