WEOM15  光源加速器  8月10日 会議室201 16:00 - 16:20
コンパクトERLにおけるビーム電流約1mAの運転
Operations with 1-mA beam current at the compact ERL
 
○坂中 章悟,芳賀 開一,本田 洋介,松村 宏,宮島 司,野上 隆史,帯名 崇,下ヶ橋 秀典,島田 美帆,山本 将博,中村 典雄,高井 良太,田中 オリガ,原田 健太郎,許斐 太郎,阪井 寛志,梅森 健成,河田 洋,小林 幸則(高エネルギー加速器研究機構),羽島 良一(量子科学技術研究開発機構),西森 信行(東北大学)
○Shogo Sakanaka, Kaiichi Haga, Yosuke Honda, Hiroshi Matsumura, Tsukasa Miyajima, Takashi Nogami, Takashi Obina, Hidenori Sagehashi, Miho Shimada, Masahiro Yamamoto, Norio Nakamura, Ryota Takai, Olga Tanaka, Kentaro Harada, Taro Konomi, Hiroshi Sakai, Kensei Umemori, Hiroshi Kawata, Yukinori Kobayashi (KEK), Ryoichi Hajima (QST), Nobuyuki Nishimori (Tohoku University)
 
コンパクトERL(cERL)は、ERL放射光源に必要な技術を実証するための超伝導加速器である。cERLでは、低エミッタンス(1 mm-mrad以下)かつ大電流(平均電流10 mA以上)のビームを周回させた後、エネルギーを回収してビームをダンプに導くことが目標である。大電流のビームを周回させる際には、周回部でのビーム損失を非常に小さく(例えば0.01%以下)に抑える事が重要である。コンパクトERLでは2016年3月に、平均電流約1 mA, 19.9 MeVのビームを周回させ、減速後、ビームダンプまで導く事に成功した。ビームの調整とコリメータ使用により、コリメータ以外の箇所でのビーム損失を非常に小さく(0.01%以下に)抑える事ができ、加速器室(遮蔽体)外での放射線レベルを十分低くできた。運転モードとしても、バンチ繰り返し1.3 GHz(バンチ電荷: 0.7 pC)において良好な運転条件を確立した後、バンチ繰り返し162.5 MHz(バンチ電荷:5.5 pC)でも良好な運転を実現した。これにより、ビーム電流を10 mAまで増強できる目処もついた。本発表では、コンパクトERLの大電流運転におけるビームの調整方法や放射線レベル等の運転経験について述べ、ビーム電流を増強する見通しについても述べる。